枯朽さんのクラシックフレンチ回

夏ぶりの枯朽さん!!!いつもの、いろいろな国の料理を縦横無尽に取り入れるような創作料理もとっても魅力的なんですが、本懐のクラシックフレンチということでめちゃくちゃ食べたくてね…だって出張料理とかで作られているフレンチがとっても美味しそう…12月はクラシックフレンチやりますよという告知が出てから(絶対に予約取りたいから善行を積もう)と思ってたんですが、善行の甲斐あってか、たまたま学校の休日が…この話もういいですね。味の話をします。

メニューです。

昼12時から完全にフルなコースだぜ…でも大丈夫、そのつもりでいたのでバッチリ空腹に整えてきました、どんとこいですよ!!!

飲み物は今回はペアリングではなくて、アルコール(シャンパン、赤白ワイン1種ずつ)をお願いするものでした。ペリエもあったし、お願いすればガスなしの水もいただけます。メニューを眺めて最初は白をお願いする。お休みばんざい!

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1品目はパテです、h.b.さんのパテ…!!!!!!!(急に自慢しますが今月h.b.さんのパテが届くんだ、いいでしょう)

ずっとtwitterでパテの試行錯誤の様子を見ていたので、ついに喫食の栄誉に浴し…という気持ちで食べた。通常のパテ・ド・カンパーニュは豚だけで作るものですが、このパテ・ア・ラ・メゾンはレバーを鶏に置き換えたりしたしっとりなめらか仕立てとのこと。口に入れると本当〜〜〜〜になめらか、角切りになって入っている脂やなんかがあるから、口の中の食感としては遅くて重いのにさらっと消えて軽い。いや軽くはないんだけど…スパイスもすごーくうすーくだけ印象があって(臭み消しとかの役割はしっかり果たすけどパテがスパイス味になるわけじゃないって感じ)、ほんのり胡椒とアニス?が香るさっぱりとした後味、ワインと合わせると肉の味が流れてさらりとナッツのような味だけが残るのもまたすばらしかった。

私はシャルキュトリーについてくる小さいコルニッションがだ〜いすき…

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2品目はコンソメ、なんという美しい液体…

お郷が知れそうですが、おいしいコンソメに対して「うまい鍋が終わったあとの〆のだし」という印象があります、製法的にそうだし…すみません。

もうす〜〜ごく美味しくて、そして不思議なのが、とても軽いんですよね。さっきのパテもそうだけど、h.b.さんのフレンチってとても軽いんじゃないか…?とこの辺で思い始める。

あのね、コンソメって、肉の味と野菜の味の太い2層が絡まり合ってる味だと思うんですよ、それでね、私の知っているコンソメはたいてい肉の香りが重い方にいるんです。でも、h.b.さんのコンソメは、野菜の甘味さえ重いほうに感じるくらい肉の旨味が軽い。なんでなの?すごく滋味深くて、肉と脂の味がとことん出ていると感じるのに軽い。不思議なコンソメです。全員飲んでみてほしい。一瞬で飲み終えてしまってじっと碗の底を眺めてしまった。無限に湧き出てほしいvs.こんな魔法のような液体はほんの少しだけにしといたほうがよろしい。

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3品目はうずらとフォアグラのシャルトリューズ。バロティーヌに目がない人間なので大歓喜、ひとりでいったので心の中で(ヒェ〜〜〜〜!!!!!!!)って叫んだ。

みてよこの…きれいねえ!もとは修道院の、野菜ですよって体裁で肉を食べちゃおうぜ料理とのことで(ほんとにどこもかしこも)、いんげんと人参がまわりに貼り付けられている。バロティーヌは鶉の肉、ハーブをねりこんだの鶉のミンチ的なもの、芯にフォアグラ。サラダはカリフラワーとロマネスコがきゅんと酸っぱく仕立ててあってセルフィーユなどのハーブをまぶしてあるサラダ。ソースは鶉のだしとシャルトリューズ(酒)を合わせたもの。

これはさ〜〜…ぜんたいをハーブの清廉さがつらぬくめちゃくちゃ清潔な鶉料理よ……この料理の完璧さを構成するなにもかもについて語りたいよ…

まずソースとサラダからいっていいですか?ソースがすばらしい液体なんですよ…コクのある鶉のだしをシャルトリューズの高貴な甘さがふんわり包んでて、わたしが修道院長だったらこのソースを聖母のほほえみって名付けると思う。サラダで使われている酸と生ハーブがシャープな味なので対比があざやか。

バロティーヌ本体は、にんじんといんげんが程よい固さにバターでしっとりあっさりと煮含められてるのもいいし、そのいんげんとにんじんの接着がさ〜〜〜リヨン料理でセルヴェル・ド・カニュってエシャロットとかハーブとかが練りこまれてるかるいフロマージュブランがあるんだけどそんな感じ、その存在があるのでソースを付けずに食べても口の中にさわやかな潤いが与えられて食べ心地がいい…!
さらに内側の、鶉はしっとりムチムチかつ肉!って感じの歯触りで、ミンチはもう取り出して単体でシャルキュトリーとして出されても大喜びするんですがってくらい旨味が凝縮しててす〜ごい。

別々のテクスチャーのものが層になってるのにこのすばらしい火入れよ…。こんなサラダチキンがあったら毎日食べたいけど一瞬で破産しそう。フォアグラはこのメンバーにくるまれて完全に清廉な佇まいで、そんなことあるんだ……だって私が知ってるフォアグラはたいていちょっと♡淫靡♡な仕立てだもん。バロティーヌ単体はわりとすっきりした美味しさで、さっきのソースをつけるとすごくまろやかになる。まろやかなのに清潔なままって印象なのがほんとにLOVE。

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4品目はサラド・トリュフ。

一番下にじゃがいものガレット、サラダ、トリュフという構成。

いちばん上に載ってるトリュフにドキドキしてしまうけど本丸は一番下のガレットだからね。直径2cmくらいに抜かれたごく薄いじゃがいもを寄せ集めて、トリュフのみじんに切ったのを挟みながらガリガリに焼いてあるのですが、これが、これがさ〜〜〜時の権力者だったらこの料理になんとかドールって名前つけると思う。神々しすぎて。じゃがいもの小さな円が寄り集まって皿のサイズの大きな円を作っていて、そのね、大きな円の周縁部分だけがガリッガリに焼いてあって、そうじゃない部分は焼き目がなくてムチムチなのよ、この食感のコントラストがさ〜〜〜構成材料の少ないサラダをこんなにも豪華にしていると思う。

あとトリュフはじゃがいもとバターと一緒に火が入ってるほうの香りがすんごいので、生で刻んであるトリュフがサクサクコリコリの食感の甘いきのこ役に回っていて、そんなことさせちゃうのかよ〜〜〜〜しかしそれがおいしい…。サラダ部分は丁寧にヴィネグレットをまぶしてあるベビーリーフなんだけど、このさ、しっかり葉っぱの一枚ずつがドレッシングをまとっているのに余分な液が一滴も落ちてこないサラダには本当にお金を払う価値があると思っているよ私は。まじで。この仕事の美しさを讃えたいよ。

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5品目、ブーダンノワール(拍手)。ここで赤ワインをもらう。シラーだったかな…?ワインの写真撮らせてもらうのを忘れてしまった。

ガトー仕立て(ケーキ様)になっていて、一番下から、スパイスの効いたタルト生地、煮リンゴ、ブーダンノワール、りんごの皮からつくったピュレのシート、右端に乗ってるのが生のりんごの型抜きとマイクロミント。

は〜〜〜だってもう上の説明だけで美味しかったでしょ?でも説明して想像するよりおいしいんだ。

タルト生地はさ〜シナモンとかスターアニスとかそういう、ジンジャークッキー的なスパイスの香りなんですけど、そんなのブーダンノワールに合うに決まってるじゃん。煮てあるほうのりんごは、しっとりなんだけど絶妙に歯応えが残ってるのよ、あと甘酸っぱ仕立てじゃなくて(それも美味しいだろうけど)ちょっと肉の出汁っぽい味がするのよ、気のせいかもしれないけど、それでブーダンノワールとの味の傾斜がなだらかで上品なのよ、そんなの美味しいに決まってるじゃん。上に載ってるプルプルのゼリーの膜もさ〜ほんのり酸っぱいけどりんごというよりはもはやごく軽いワインみたいな味わいなわけよ。ブーダンノワール本体はいうまでもなくなめらかで品がよくてそんなのさ!!ずるくない???たぶんここまで読んでもらっても想像より実物の方がおいしいからそこのとこよろしくね。

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6品目はパイ包み焼き。切り分ける前のパイを見せていただけるんだけどずるいよ〜〜〜〜こんなのずるいよ〜〜〜〜〜!!!!!

ここまでそれなりに食べてるのにローズマリーの茂みとパイの焼けた匂いのせいで一気にお腹すくんですよ、まったく罪なシェフ…。パイの装飾の優美さもたまらんよね。

切り分けてでてきたのがこちら。

パイ包みは外側から、パイ、ほうれん草、帆立?(忘れてしまった、白身魚だったかも…)のムース、きのこのデュクセル、オマール海老。ソースはフィーヌゼルブ(刻んだハーブ)たっぷりベアルネーズとエビの殻からつくったアメリケーヌ。

わたくしごとなんですが先日パイ包をやってへとへとになりまして、プロの美しいパイ包に対してありがたく思う気持ちがもとの数倍になってるんですよ。ありがたい…。

ベアルネーズってマヨネーズと同じで卵をかき立てて作るんですがなめらかで軽くってふんわりとろ〜りでハーブがしっかり効いててこれだけでいろんなものが食べられそう。いろんなものつけて食べたい。

パイのさ、この隙間のなさの美しさったらないよね。ムース(に火が通った簡単にいうとはんぺん)の部分は、不思議なんだけど、瑞々しいのに水っぽくないのね、そして食感がしっかりしてて、シュワっと溶けるわけではないからオマール海老と足並みが揃ってるんですよ。海老も、プリプリじゃなくてしっとり仕立てなの。この、ムースと海老を、きのこのデュクセルの土っぽい香りが地上に引き上げてくる。それを全部くるんでさらに味を引き立てるベアルネーズ様…。アメリケーヌはたまに口にはいるとすごい嬉しい。旨味を追加するだけで振り回してこなくて、こんなにやんちゃな味なのに紳士でさ…フランス文学の子どもたちか?(?)

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7品目、銀の鴨。これも切り分ける前のココットを見せてくださったんだけどたまらんよ〜〜この胸に飛び込みたいよ〜〜〜。

サルミというのは古典調理法で、ソースの中で肉を加熱するものなんだそう、詳しくはシェフにお聞きください。

切り分けられたのがこちら。

エギュイエットだ〜〜〜〜!!食べ良い薄切りになっている胸肉に、肝などまで渾然一体となったソースがかかってて、上にぺろんと載ってるのはささみかな?皿のむこうにあるのが、ハツとレバーのコンフィで、縁に載っているのがグラチネをつけたトースト。

鴨大好きで、メニューにあったら食べたいし自分でも焼くんですけど、このh.b.シェフが推してる銀の鴨、これは今まで食べたことのある鴨とは別物じゃないですか…?血が多い鴨とのことなんですが、血の味がしないんですよ、何言ってんの?って感じですけど、血の味がしないんです!!!いや血の味…、鉄のくささがないんですよ、わたしは鴨の鉄っぽい味も大好きだけど、ちょっと経験したことのない感じで…鴨自体の品質の良さと、火入れの絶妙さが合わさった結果、たべてる間ずっと「良いぶどうを噛んでる」ようだった。わかる…?ぜひ実際に食べていただきたいのですが…ぶどうを噛む時の、歯に抵抗するきゅるんとした弾力と、力を入れるとぷちゅんと弾ける感じ、それが鴨を噛んでる間ずっとある。肉って噛んでるうちに「噛まれた繊維」になる瞬間があると思うのですが、もうず〜〜っときゅるんでぷちゅんなんですよ、味もずっと瑞々しいままなの。不可解〜〜〜〜!☝️

ソースもコクのすべてを注ぎ込んでるのに優雅としか言いようのない味だし、ささみはぷるんぷるんだし、その合間にレバーとハツを食べるとね、はっとするんですよ、この皿の中で一番肉らしいのってこの二つなんじゃないかな…。胸肉のさわやかな歯応えから一転、ギュッと密度の高い血の香りがするレバーと、コリコリサクサクで旨味のあるハツよ…ここだけキリッと塩味がつよいのも憎らしいんですよね…(ラッパーなので韻を踏んだ)。

最後にこの、角の立ったトーストに載ってるグラチネが甘いのよ、玉ねぎの甘く炒めた味が鴨に圧倒されてる口の中を甘やかしてくれる、この3点を無我夢中で食べているといつのまにか食べ終わってしまっているというわけ…。悲しい。なぜ食べ物は食べると終わってしまうのか。

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デザートは洋梨のシャルロット。

ビスキュイで囲まれている中に、洋梨のコンポート、カスタードクリーム、一番上に洋梨と花梨のコンポート。パスティスとライムのアイスクリーム、全体の上からライムのゼスト。コース食べ終わった舌に優しい…こういう清々しいデザートが出てくると「コースもう一回最初からやり直せます」という口になるね。無間だねえ。アイスがパスティス(薬草酒)だからなのかな、ふんわりココナッツみたいな味がして、外の寒さを忘れさせてくれる。(ところでデザートってもしかして枯朽のもうひとりの方が考案されてるのかな…?)

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お茶菓子は、ディアマンにレモンカードが載ってるのと、チョコレートテリーヌ、sol’s coffeeの中深煎りコーヒー。

いよいよもう一回やれますって感じなんだけど!?となるお菓子、このさ〜ディアマンが口の中でほろほろに砕けるのをレモンカードがつなぎ止めてくれてて、「その手があったか!!」という気持ちになる。こういう口の中がギューっとあったかくなる系のクッキーにつめたい味のクリーム、最高ですね…?テリーヌはオレンジリキュールの香りがして、このね、お茶菓子ふたつの柑橘の香りが、コーヒーの甘酸っぱい重すぎない香りとものすごく合うんですよ、なんか、そうだったコーヒーもいろんな香りと味がする飲み物なんだからお茶菓子をペアリングできるんだ、って思った。h.b.さんのこの軽さのあるフレンチコースの最後に、深煎り!圧倒的強者!って感じじゃないコーヒーがあるのすごい納得感でした。

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この感想書くために脳内で最初からコースを食べ直したのでいまたいへんお腹が空いている。

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これだけのコースを3時間ちょっとで…しかもおふたりで…。

h.b.さんのすごさってその鬼のような丹精さにあると思っていて、それは、名前のある、脈々と作られてきた形のある料理の表現でも際立つんだなあと思いました。技術こそパワーって感じだった。あとやっぱり楽しそうだった。

h.b.さんの料理をいただくと、ちゃんとやろう、上達したいことはひたすら練習して、どんな小さな成果物も丁寧に仕上げることに心を配ろう、という気持ちになるので、値段は少し張るけど、新年に向けての元気付けにいくと良いかもしれない。パワースポット。いつか厨房のみえる場所で開催してほしいな…。

h.b.さんの間借り(7月)

7月に枯朽さんの間借りに伺った時の感想です。

壁に向かっている席だったんだけど、手元を照らす照明がなくて写真が暗いので、きれいな写真は公式と他の人の投稿をご覧ください。(https://twitter.com/kokyu_hb

コースとノンアルコールドリンクのペアリングコースです。

最初に出てくる、凍らせた西瓜、西瓜の果汁、スパークリングのぶどうジュース(ポール・ジロー)、唐辛子の冷たい飲み物。

スパークリングの酸味と、西瓜の青っぽいあまみが口のなかで気持ちよく、飲み下すときに一瞬ヒリっとした辛みが喉を通っていく。この、呑み下すときだけ辛みがするのがおもしろくて、ともすれば西瓜やぶどうの甘味って喉を通るときにややねっとりと感じられるところがあると思うんだけど、そこが掬われているので、素直に喉を通っていく。すごい。カップの中はドライトマトとかドライパプリカみたいなゆたかな香りがする。こんなん大人のアクエリアスよ、コンビニのスポーツドリンクコーナーにあってくれたら買い占める。

ベースが同じで、それぞれ塩味、香り、辛みで味を締めた小さなタルト。天才。タルトは、じゃがいもで作られたごく薄いカップに、たまごサラダ、発酵バター、ラルド、タマリンドのジャム、フランベした枇杷、浅煎りコーヒーの粉末が共通。まず塩味のものにはオリーブが載っていて、ほの青いナッツ香とくっきりした塩気によって枇杷の甘さが引き立つ。香りはエストラゴンの葉、上方向へとのびやかに香り、でも遠くへ行きすぎないで、ラルドや発酵バターの脂の甘さが心地よく現れてくる。辛みは、先の西瓜の飲み物にも共通する優しい辛み(辛いと感じる時の刺激部分だけをそっと集めたみたいな)のシートが載っていて、なぜだかタルトの全ての食材の輪郭が急に立ってくる。

このタルトについてはほんとうに…まず、食感の設計がすごくて、じゃがいものタルト部分は口に入れたくらいでは割れないけど歯が当たるとざっくりほぐれるちょうどいい硬さと薄さ、で、舌の上にたいらにその香ばしい味(ポテトチップスの端のややこげてるとこみたいな香ばしさ)が触れるので、次に来る味への感度が一気に上がる。そこへ柔らかいものがすべて溢れてきて、どんどん味がする。どんどん味がするってバカみたいだけど、全部の味がするのよ。あれとこれが混ざった味じゃなくて、(たまご!バター!あっ、枇杷…タマリンド!オリーブだ、しょっぱい!ラルド噛み締めるとあまいな〜それが全部と合うな〜〜あっこれはコーヒーさんじゃないですか、うわ〜苦味と酸味のちょうどいいとこ…芋〜〜!おまえの味は最高!…)みたいな感じでめくるめく味がする。それでね、全部が同時に喉の奥に消える。

ペアリングは、トマトだしと昆布水とカモミールの合わせたのに穏やかな酸味が並走するきれいな飲み物。もうこれはスープと言ってもいいと思うんだけど。飲み口にマルドンの塩がついているので、たまに舐めながら飲む。トマト出汁が枇杷とあっているのかな、タルトの豊潤でうろたえている口の中をするすると通っていく。あわせるタルトごとに少しずつ主張する素材が変わるのもわくわくしたな。

鮎のスープ。これもたいへんな…たいへんな食べ物ですよ…。玉露のうまみを昆布だしに見立て、鰹出汁を合わせた吸い地に、生のローリエ、パセリとピーマンの青いオイルが浮かんでいる。枝に刺さっているのが鮎なんだけど、シェフのツイッターによると「3枚に捌き、身、内臓、骨に分け食べやすいように組み直して提供してます。身の1番厚い部分は軽く塩を打ち脱水してから粉を振り、残りの身と内臓のつみれと共にふっくら焼き上げてます。骨は霜降りし優しく煮出した液体を薄いシート状に加工。(https://twitter.com/some_iyu/status/1412732913515257857)」とのことで、手数が大変なことになっている。上に乗っているシートには豆豉がまぶしつけられている。実のもうひとつは、きゅうりとフェタチーズを包んだマントウ。

は〜〜どう表現したらいいのか…まず澄んだ汁、先のドリンクに昆布出しが入っていたので、この汁に存在する似た旨味がしかし脱臭された旨味であることがわかります。ねえ、生ローリエは旨味を補強するの、知っていましたか、わたしは初めて実感しました。ポトフなんかにいれたときに出るあの力強い香り、あれをみずみずしく優しくしたやつです。温かくてやわらかくてつるんとしたマントウは、すごく軽やか。フェタの酸味とやわらかさと、きゅうり(優しく熱の入ったきゅうり!)のほんのひとさじ残った青みが引き立てあって、ちょっとしたサラダです。汁と一緒に口に入れると、きゅうりがスープの新しい形態として振る舞う感じがしてすごかった。しゃくしゃくのおだし。鮎についてはもう…絶句したんですが…ほろ苦くてふわふわでなめらかで…こんなになっちゃって…。さらにすごいなと思ったのが、この鮎、やわらかでほぐれてくるので、一口目はスープと実の関係だったのが、二口目にはポタージュを口に運んでいるような印象になる。

そして、ペアリングはドリンクではなくて、きゅうりと青唐辛子と酢橘のグラニテ。一旦、汁を口にしていない状態で味を見たらきゅうりの酢の物を連想するんだけど、汁の途中で食べたらもう完全に貴船の木漏れ日なんですよね、苦さの柔らかい鮎のために蓼酢を仕立てるとこうなるのか。なんかあの、貴船の山のうえ、照りつける太陽を遮る旺盛な夏の緑、光をまき散らしながら流れる川、ほの湿った清涼感……みたいな感じです。伝わるかこれ。きゅうりよりもむしろ青唐辛子が引き立って、(h.b.さんの辛みの扱いが格好良すぎる)、平たくいうと柚子胡椒みたいな香りの爽やかなグラニテなんですが、苦味を取り去るというより視界をひらけさせてくれる味でした。すごい。

笹に包まれた、魴鮄(ほうぼう)のすり身のふわふわ。中に、きのこのデュクセルと、たしかピーナッツバターだったかな…が包まれている。横に添えてあるのが、オランデーズソースと、五香粉のクランブル。ほんとうはふわふわの中にねりごまも入っていたそうなのだけど、残念ながらわたしがアレルギーもちなので抜いて作ってくださった。

オランデーズソース、しっとりなめらかで、なぜかエシャロットみたいな香りがふんわり漂ってて、なんでですかね、シェフに聞けばよかった。気のせいだったらどうしよ。クランブルはあまじょっぱ香り高い、与えられたら与えられただけ延々と食べられるやつです。ふわふわはほの温かくて、ほんのり笹の甘い香りがして、人生でいちばんおいしいはんぺん。中のきのこが適度にざらりとしていて、ふわ、しゅわ、ざら、がとても楽しい。

そのまま全部いきそうなところを踏みとどまり、ソースとクランブルをつけて口に入れると、ねえさっきまではんぺんだったのに、完全においしいグラタンの味がするじゃん!?ってなる。口の中で味の要素と食感の要素が並べ替えられて、表面カリカリ中トロトロのグラタンの像を結ぶ。

ペアリングドリンクは、ノンアルコールジントニックという感じ。(ちょっとうろ覚えで申し訳ないんだけど、)メース(ナツメグが種で、その種を覆う皮がメース)を砕いてコーヒーみたいに抽出した液に、ネズの実を加えた飲み物+杉の木+ローズマリー。全体的にまるい味の料理がしゃんとする。あとこの木とローズマリーが鼻先まで迫ってくる恍惚ね…同行者とこの香りのルームスプレーが欲しいと言い合った。あと普段のh.b.さんのツイートを見ているせいで、この薄い木片もまさかご自分で…と勘繰ってしまう。

たいへんだ、鴨がすごくたいへんなことになっている。手前がソース。ケーキ状のものが、じゃがいもをふかして潰して成形したもののうえに、ソテーした桃と馬告、ディル、ミニハーブ(クレソン、セルフィーユ…?)。下に張っている液体が、浅利と鶏の出汁にすこししょっつるを足したもので、浮かんでいるのはクコの実の戻し汁(!)。右手前のペーストは、クコの実とマスタード(!!)。鴨はローストしてから牧草でいぶされてでてくる(!!!)。ソースの皿に鴨を移して食べます。

鴨は、塩がしっかりしていて、そこへ煙を浴びてるからすこしギュッとなってるのかな、力強い味がする。肉と魚介を合わせたソースは絶対に間違いがないんだけど、ほんとうに間違いがない。すごくうまい。脳が考えるのをやめそうになるくらいうまい。そこへこの…じゃがいもと桃とハーブですよ…楽園にいる鴨です、桃がね、ソテーされているから甘味の種類が芋と寄り添う形に変わっていて、鴨の上で完璧なソースになります。フレンチの付け合わせのポテトのピュレがもっとみずみずしく、もっとジューシーになってるわけで、それがこんなにもおいしい。クレソンとかマーガオは桃のピチピチ(桃だけに…)した部分を引っ張ってきてキュンとするんだけど、わたしとしてはセルフィーユ(いたはず)のあの粉っぽい甘さがすごく好きだったなあ…。あとクコの実とマスタードのペーストはも〜〜こんなんずるいわ、これだけで蒸したジャガイモ永遠に食べられるんじゃないの…桃とは違う方向の甘さで、味の幅が下方向に増える感じだった。

ペアリングドリンクはラプサンスーチョン。中国茶の紅茶です、このけむくてひなびた味の豊かさよ〜〜涙 肉に牧草の煙の香りがついているので、料理全体と優しく手を繋ぐかんじ。中国茶によくあるスパッと味や油を切る振る舞いではなくて、むしろ余韻を綺麗に引きのばしてくれる…。牧草はルフルーヴのチョコレート以来の再会、すごくいい匂いだな〜。直射日光の当たる場所の、ちょっと焼けちゃった畳の匂いがして、冬の日の昼寝を思い出す。食べ終わりたくなかったなあ。

デザート。上に載っているのがパッションフルーツとティンブール(ネパール山椒)、ひらひらしたのが黒ビールのクレープ。中に、チーズケーキ、パイナップル餡と緑豆のあわさったの、メティ(フェヌグリーク)の香ばしくしたの、小さく切った冷凍のパイナップルが入ってて、すごく賑やか。チーズケーキがすごく懐かしいタイプのレアチーズケーキ(食感がほくほくしている)なのが、この賑やかな味と香りたちを受け止めててすごい。あとね、パイナップルが冷凍なのも、冷凍でなくちゃだめだった。山椒がすごく強くて、なんていうか味の遠心力みたいなのがものすごいんだけど、その遠さまでの間に各要素が散らばっていてね…うまく表現できない、おなじ星群って感じ…よけいわからないけど…。

ドリンクはコーヒーのモヒートとおっしゃっていた、コーヒーとミントとライム、あとアマレットを炭酸で割っていて、エスプレッソトニックをまろやかにしたような味を想像してもらうと近いかもしれない。

以上でだいたい2時間ちょっと、めろめろになりました…こんなに緻密でものすごい精度のコースなのに、なんだろう、ぜんぜん怖さみたいなものがなくて、お人柄なんだろうな、おおらかで優しい空気で、楽しい嬉しいがずっと続くコースで、幸福だった。もう一度最初からたべたいよ。季節が変わったらまたすぐに行きたい。

日記、2021年3月23日、火曜日

「お出かけ日和」と形容しなかったらうそになるような良い天気の日。散々仕事している間「こんなにいい天気の日は出かけたいのに」と言っていたけど、いざ有給休暇となってみるとこんなにいい天気の日に家でだらだらする怠惰を選びたくなってしまう。でも雨の日のほうが圧倒的に出かけるやる気が起きないのだから、とにかく出発する。こういうことができるようになってほんとうに大人になったと思う。

電車を乗り継ぎ、上野の森美術館で今月末までのVOCA展(https://www.ueno-mori.org/exhibitions/voca/2021/)を見る。大きな絵がたくさんあっていいな。わたしは全く批評の目を持っておらず、ただ大きな絵を見てはあーとかうーとか思っているだけなんだけど、それで楽しい。たくさんの絵の具があることが楽しい。線のおびただしさが楽しい。だれかがなにか大きな感情をぶつけたものであったり、あるいは淡々とした考えを織り上げたものだったりするものを見るのが楽しい。毎日過ごしている家とこころの中にはない色を見るのが楽しい。

見終わって外に出ると、桜がたくさん咲いている。桜をたくさんと数えるのが正しいのかわからないけど。桜がたくさん咲いている光景を見るたび、桜が不在の時間のほうがよほど長くて、つまりこの公園には桜の季節が終わったらほとんど花がないというのに毎度思い至る。それがなんかかっこいいなと思う。私だったらたぶん、桜のない季節にもなにか咲いているようにするだろう。それがなくていいなと思う。お腹が空いたので、食べたいものをひとしきり考えて、ヴェジハーブサーガ(GoogleMaps)というお店に南インドのカレーを食べに行くことにする(最近は出かけるたびに南インドのミールスかネパールのダルバートを食べている、先週新宿にいったときはダルバートを食べた)。御徒町なので本当は歩いていけばいいのだけど、靴下がどんどん爪先に寄っていく最悪のタイプだったので、おとなしく山手線に乗る。御徒町で降りると、アジアの匂いがする。アジアで空港に降り立った時と同じ匂いがして、嗅覚が勝手に大きな移動を感じ取って気持ちが動揺する。でもエスカレーターを降りきったらその匂いは消えた。御徒町駅から東に出たのは初めてだ。宝石屋さんが多い。目当ての食堂は完全菜食を謳っているカレー屋で、南インドではあまり珍しくもないことだそうだけど、店としてそうなカレー屋さんははじめてみた。その地域にルーツを持つ人が半分、それ以外の人間が半分という感じ。店員さんはおそらくインドの人。大きなメニューを渡してもらうけど、それとは全然関係なく昼はおまかせセット一択で、1500円。ライスかナンかを選べる。

ライスにした

オクラのポリヤルは、食感のゆるさと味の角がしっかり立っているのが両立していておいしい。ダールは豆の粒が大きくて味はしんみり系。サラダはサラダ。カレーが、たぶんパニール(きゅっと締まったチーズ)がおおぶりでゴロゴロ入っていて、それがまったりなのにちゃんと辛いカレーとよくあっておいしい。ライスが大盛りなので途中でダールがなくなり、頼んだらおかわりをくれた。セットにはチャイかラッシーがついてくるので、チャイをもらう。

ふたたび山手線にのり、上野にもどる。人が多い。座りこんでの花見が禁止されているので、ひとびとが上を見上げたままゆるゆると動いていく。桜のたくさん並んでいるときに同時に出会うあの酒や焼き鳥や人の汗のにおいがしない。清潔な桜はすこしこわい。あの地べたの宴会は、桜のこわさを有耶無耶にするためのものだったのかもと思う。

桜やスターバックスコーヒーや自転車を通り抜けて、都美術館で吉田博展をみる。圧倒的に絵がうまい。木版画の展示なので、ほぼ吉田博の画家としての表現が確立されたあとの作品群で、とにかくため息しかでないほどうまいのばっかりたくさん見る。美術展は腰が痛くなるのだが立ち方が悪いのだろうか。絵がうまい。色がうまい。線がうまい。人間はすこしおぼつかなくてかわいい。VOCA展でも山の絵があったが、山に登る楽しさを知らないので、きっと山に登る人はその大きな感情とともにこの絵を見ることができるのだろうなとたびたび思う。見終わって、満足して、まっすぐ帰ることにする。吉田博の描いたのとおなじ桜があって、上野駅のむこうにスカイツリーが見えるのを、並んで写真に撮っている高校生たちがいて、靴を磨いている人がいて、タクシーのいないことにうろたえている老夫婦がいる、新しくなったロータリーを抜ける。ドーナッツを買って、帰宅するころには空が暗くなっていた。

2021年チョコレート、買ったもの

1月に投稿したチョコレートのエントリー(伊勢丹編髙島屋など編)、たくさんの方に読んでいただけたうえに、「載っていたチョコレートを買いましたよ」という声もいただいて驚くやら嬉しいやら…皆さんのチョコレート選びに少しでもお役に立てたのなら、本当に書いてよかったです。

さて!!!!もちろんわたしもチョコレートを購入しましたので、来年に向けて、味や中身などの感想を書いていきたいとおもいます。

購入したもの

(写真左上から時計回りに)
アペカセレクション…アペカセレクション12個入
LENOTRE(ルノートル)…【高島屋限定】プラリネ・ガナッシュアソート
YU CHOCOLATIER(ユウショコラティエ)…台湾産グランクリュカカオ&クラシックトリュフ
le fleuve(ル・フルーヴ)…プラリネ4

では!ひとつずつ、中身の写真と、簡単な感想です。

アペカセレクション…アペカセレクション12個入

買いました。中身わからない3兄弟です。(詳しくはこちら。
上段がLEGAST(レガスト)
中段がSEBASTIEN GAUDARD(セバスチャン ゴダール)
下段はStephen Vendeparre(ステファン ヴァンデュパール)

これね、開封してもなお味わからん3兄弟でウケました。入っているペラ紙の情報がチョコレートの名前しかない。
ともあれそれを頼りに食べていきます。

LEGAST(レガスト)
左から、Panther, Chaman, Atmosphere, Pachamama
ベルギーのビーントゥバーブランドです。ラテンアメリカでカカオを買い付けてるとのことで、名前にまんま現れてますね。シャーマンキングか?
味はそれぞれ、
Panther…ピーナッツのプラリネ
Chaman…ピスタチオのプラリネと塩けのあるトフィー
Atmosphere…ココナッツガナッシュ
Pachamama…マンダリン風味のアーモンドペースト

SEBASTIEN GAUDARD(セバスチャン ゴダール)
左から、Ganache Perou dark chocolate, Lemon flavoured magipan milk chocolate ×2, Ganache Tonka dark chocolate
味は名前そのまんまなので省略します。なんでマジパンのやつ2つ入れた??????
トンカ豆のがおいしかったです。

Stephen Vendeparre(ステファン ヴァンデュパール)
左から、Brasil, Colombo, DOUCEUR, Ghana
これが大本命です。いわゆるカカオの産地別ですね。特に中に何かが仕込まれてるとかではなく、素直においしい。3つ目だけ急に地名じゃなくなるのどうしたんや、「甘いもの」なのはわかってるのよ。写真で見えるかわからないんですが、柄に明らかに「MADAGASCAR」ってあるので多分マダガスカル産です。
あと、ガーナ、完全に日本で日本メーカーの板チョコレートを食べて育った人たちの舌が覚えてる味がした。もちろん甘味とか香りはずっと洗練されているのですが…舌の記憶ってすごい。

LENOTRE(ルノートル)…【高島屋限定】プラリネ・ガナッシュアソート

毎年必ず買ってるルノートルです。いろんなデパートでいろんな組み合わせで取り扱われているのですが、今回は髙島屋のセットが良さそうだったので買いました。
味は、左の列上から、
ショコラ・オ・レ&プラリネ、ノワゼット、フリュイ・ドゥ・ラ・パッション
右の列上から、
ルノートル・ピスターシュ、カフェ・デュ・グアテマラ、アマンド&フリュイ・セック

もう本当に美味しい、それぞれのナッツの香りだかさ、サブレの塩み…こんなに濃いのに引き際の潔さ…私に言えることはありません。来年も買います。

YU CHOCOLATIER(ユウショコラティエ)…台湾産グランクリュカカオ&クラシックトリュフ

上段が定番トリュフチョコレート、下段が台湾トリュフチョコレート

ちなみにこれを義実家へも送ったのですが、よかった送って!とってもおいしい。下段のが特に好きでした、酸味と旨味の感じがちょっと紹興酒っぽい香りで最高。
リーフレットみるとどうやらボンボンもあったみたいで、それも食べたかったな〜。来年も買いたいけどこういうのって1年で消えてしまったりするので来年も買えるかは不明です…。

le fleuve(ル・フルーヴ)…プラリネ4

これだけ夜に食べたので写真が暗い。ご容赦ください。

今年も最高でした!!!!チョコレートを作ってくださってありがとうございます…
味は、左上から時計回りに、プラリネ橙、プラリネココ、プラリネそば、ピスタチオ

とにかく香りが鮮烈、わーっわかる、この素材って噛んだ瞬間こういう香りがのぼってくるよね、っていう香りがほとんどそのまま閉じ込められている。天才。パティシエの人を信じてるのでプラリネ買います、って書いたんですが、マジで信じて良かった。
先に書いたルノートルは、同じプラリネ系でも例えるなら円熟、なんかもう優美だし明らかに裕福ななりをした感じの味で余裕を感じるんですが、ルフルーヴは圧倒的におしゃれ。軽やか。チョコレートの味に対して何言ってんだって感じですが、すごい、プラリネってこういう味になれるんだ…って思いました。こういう30代を目指していきたい。

ちなみに、チョコレートではないのですが、これも買いました。まだ開けてないので、のちのち追記します。
NOEL VERDE(ノエルベルデ)…カカオパルプピューレ

こうしてみると今回はおいしいチョコレートの布陣に偏ってますね。来年は驚きのある組み合わせのチョコレートを見つけられるといいな。
皆さんの買ったチョコレートもよかったら教えてくださいね!

日記、2021年3月16日、火曜日

有給休暇。今月に入ってから、火曜と木曜を有給休暇の日と決めて休んでいる。このペースでは残りの有給休暇を使いきれそうにないが、かまわない。

午前に動き出して、地元吉祥寺で婦人科を受診、総武線で大久保に出てネパール料理店でダルバート、山手線で新宿に出て西口のスーツ店で制服の受け取り、京王新線に乗ってオペラシティで美術展をみて、帰宅。

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ダルバート、Bセット700円

制服、専門学校の制服って何事かと思ったけどどうやらそのままリクルートスーツとして使ってねという趣旨の揃いである。ところで知っていましたか、令和になっても女物の安いスーツの股上は浅い。背中からシャツがはみ出てパンツが見える仕様なので、これは股下でスナップ留めできる型になってるシャツ必須…。あと聞いてくれ、なぜか制服が三揃なんだけど、股上問題のせいでベストとパンツの隙間にダセー三角が発生する。嘘だろ!!と思って試着についてくれた店員さんに恐る恐る尋ねるも、「あ〜なんかベストのサイズあげるしかないですね〜」ってベストの着こなしに頓着しなさそうな回答で泣いた。無理すぎる。着こなしが終わってる結婚式参列者みたいで死ぬほど嫌だ。でもインナーは白指定だ、どうしよう、カマーバンドか??

そんなことよりオペラシティである。今週末で終わってしまいますが、千葉正也個展と、ProjectNの小瀬真由子がとてもいい。絵がうまい!!!!!

http://www.operacity.jp/ag/exh236/
http://www.operacity.jp/ag/exh238.php

うまい絵を見ると脳みそが焼けて灰になる感じがある。(灰になった脳みそで書いている言葉である。)まず千葉正也さん、上の写真の通り、インスタレーションと思いきや絵で、描き込んでいるという感じではないのにそこに「ものがある」のがわかって混乱するし、そもそも絵には「描いたときにそこに物があろうがなかろうが関係ない」はずなのに「ある/ない」をめちゃくちゃ揺さぶってくるので呆然としてしまう。展示会場の構成も良くて、そのせいで気づくとその「ものたちがある世界線」に引き込まれている感じがする。あと普通にめちゃくちゃ描き込んでてうまいTシャツの絵とかもあって膝から力が抜けそうになる。絵がうまい、うますぎる。意味がわからん。

小瀬真由子さんもたいへんによかった、その構成のドンと現実を平面にしたような不思議な質感と箔の確実なきらめきであー確かに日本画だなあと思うんだけど、重さと浮遊感が同じスピードで届くのでうわーとなる。うわーってなんだ。作品集の冊子買おうかなあと思ったけれど、開いてみたら大きなサイズで見る方が圧倒的に良かったのでやめた。またみれるといいなあ。

帰宅したら大きな鉢植えと緑色したレシピ本が2冊届いていた。

2021.02

引き継ぎが!おわりつつ!ある!!!!YEAH!!!!!!!嬉しいね!!!
仕事はどんどん手を離れていくのに全然4月からの学校についての準備がなく、ほんとうに進学するのだろうか…?という気持ちで過ごした。

2月に読んだ本(計8冊)

推し、燃ゆ/宇佐見りん
/小山田浩子
山の家のイタリアン/相場正一郎
30日のパスタ/相場正一郎
アジアごはん紀行/向山昌子
料理の意味とその手立て/ウー・ウェン
パチンコ(上下巻)/ミン・ジン・リー
LAフード・ダイアリー/三浦哲哉

推し、燃ゆ 受賞しましたね。最近”推しがいる”という状態が我が身のこととなったので気になっていたのですが、まんまと賞をきっかけに読みました。”推し”に対して、恋愛感情を抱くのではなく、とことん観察して、読み解いて、解釈をして、理解したい……という愛し方をする主人公が、”推し”が女性を殴ったかどで炎上するのをただなすすべなく見つめる、というのが話の筋なのですが、”推し”と自分の間にある茫漠とした距離のままならなさ、”推し”を実際に支えることができないもどかしさ、そして生活や家庭の圧倒的な手につかなさが渾然一体となって雪崩れていくので、ものすごい勢いで読めてしまうし、気づいた時には主人公と一緒に呆然としてしまっている自分に気づく。推しの気持ちを慮っては情緒が振り回されてしまうタイプの推し方をしている人には勧められない小説……。

 小山田浩子さんの小説、これで単行本化されてるものはすべて読めたかな。庭が一番最新のものまで含まれているのかな、工場や穴で、「気付いたら立っている場所の座標がずれている」と思わせるような文の人なんだなあ、わたしこういう小説だいすき、と思っていたら、庭の後半では「どんどん別の世界に連れて行く」というような、なんていうんだろ、置き去りにされるというよりは、目まぐるしく背景の変わるなかをどんどん走っているような、というか…そういうおもしろさの短編が続いて、なんだか新しかった。

山の家のイタリアン LIFEのオーナーシェフのエッセイ。先月、30日のイタリアンを読んでたくさんパスタをメモした。タイトル通り、山にすてきな家を持っていて、週末はそこで過ごすという二拠点生活を送っている。今のお店を持つまでの経緯から山の家を買うことになった自分の来し方、東京の家との往復生活を成り立たせるために心を割いていることなどが綴られていておもしろい。山の家が本当に気持ちよさそう。

30日のパスタ というわけで、パスタの本も。賄いに作るという目線が含まれているので、とにかく短い時間でできるものからはじまって、少し下準備に時間のかかるレシピまで。突飛なものはないけれど、組み合わせの妙になるほど……となる。いくつか作ってみたいな。あとお店にもいきたい。

アジアごはん紀行 旅行に行けなさがもどかしくて紀行文を読む。ヨーロッパ方面は多少工夫すれば食卓の上で気分を味わうことができなくもないけど、アジアは難しくないですか。東京で〇〇料理レストランに言っても味わえない土埃、湿度、コーラの冷たさ、必ずしも清潔でないことによって、かえって立ち上がる圧倒的な食味の鮮やかさ、そういったものを一片を想像することができるのが楽しかった。

料理の意味とその手立て ウー・ウェンさんの本はいいですよね。好きなパティシエの人が読んでるのを見て買いました。北京小麦粉料理とかも名著ですけど、なんていうのかこの本については圧倒的に削ぎ落とされて凛としててめちゃくちゃかっこいいです。中華とはいえ普段の食卓の中華なので、読んでても胃もたれしません。あと、小手先のテクニックではなくて、考え方自体を教えてくれるので(たとえば青菜炒めを水っぽくしない方法だとか)、ほかの食材への応用がものすごくスムーズ。ギークのための料理書みたいな本ありましたが、あれの優しい版ですかね。料理に苦手意識持ってる人に料理本のお勧めを聞かれたら渡したい一冊。

パチンコ いつか読まねば…と思ってずっとちらちら視線を送っていたパチンコ(だって上下巻ある!)、なんとなーく最初の数ページだけでも……と思って開いたら語りのうまさと面白さに引き込まれて結局平日の3日間くらいで上下読んでしまった。面白いよー!!!長編読むとすごく元気になるね、読書大好き!!!!みたいな物質が脳からバンバン出るのを感じる。内容はもう帯がネタバレしてるのですが、主人公は韓国人の女性、地元で未婚のまま身篭るもその相手とは結婚することができず、志ある牧師さんの結婚の申し出を受けて一緒に大阪に渡る。そこからの3代の人生が綴られるのだけど、すごいんですよ、すべての登場人物にくまなく目をやり、かつベタベタしすぎない。重要な時期が書き飛ばされるが、その余波がすみずみまで行き渡ることによって書かれなかったことの(文章の上での)よさが発揮されている。これはすごく読むのが楽しい小説…。
同時に、日本や韓国で、例えば祖母の代からこの屋台をやってるよと言うような人々が言う時の、その、続けてきたこと自体の壮絶さについて、いままで全く思い及んでいなかったことに気付くようにもなる。Youtubeで、韓国の市場で食べ歩き!みたいな動画を見ていても、その凄さにため息をついてしまうね。

LAフード・ダイアリー 「食べたくなる本」の三浦哲哉先生が、サバティカルで一年間LAに滞在し、現地の食と社会について群像に寄稿したエッセイが単行本になった!!ウオー!!(ファン)行を追いながらも、過去にとった食事のそれぞれにまつわる情報のかさなりを思い起こし、その時の体験をなぞり、これから食べるなにもかもが楽しみになる。旅行に行きたくなるかと思いきや、より自分の中の味覚の記憶にわけいるような気持ちになる。面白かった〜。日本の食文化は環境や季節に規定されるけど、LAの食文化は圧倒的移民の多さゆえに社会に規定される、というのを読んで「あ〜〜」って声出た。
「ついてすぐ、疲れすぎてコンビニの食べ物を買ったら不味かった」みたいな体験って、本当に起こるのに、それを書くことがこんなにも良さをうむのか…と思ったりもした。わたしもポルトガルへについてすぐ空港のレストランでパスタ食べたらありえないまずさで、だけどなにか爽快な、笑える気持ちになったんだよな。

2月に読んだ漫画(計3タイトル)

やわ男とカタ子/長田亜弓
31番目のお妃様/七輝翼、桃巴、山下ナナオ
不思議な少年/山下和美

やわ男とカタ子 今月ほとんど広告で流れてきた漫画しか読んでない。大丈夫か。背の高さ、骨格の硬さ、声の低さ、顔の作り、性格…ととにかく自分の「女らしくなさ」を数え上げては自虐的になってしまう女性がイケメンの「オネエ(作中表現)」の手によって自己肯定感を上げる練習をしていくも、そのオネエと恋に落ちてしまい……というとにかくむずがゆ漫画。自己肯定感が低いが故に人に優しくできないという悪循環が読んでて胸が痛いー 

31番目のお妃様 これも広告や。ラノベの漫画化。ある国の王が妃を娶るのに、31人の候補者を揃えてその日にちの番号の妃と交流して選ぶ習慣があって、その「ハズレ番号」たる31番目に召し上げられた地方出身の娘さんが主人公。めったに王様のお越しがない代わり、その溌剌とした性格と家庭的な手腕で周囲の支持を獲得していき…という、なんだ、人間力とか地道なスキルで階級的な格差をかるがる踏み越える、みたいな話

不思議な少年 山下和美さんのランドが好きなので、過去作のこちらも読んでみたかった。天使のような不思議な少年が地球上の歴史のあらゆる地点に舞い降りては、人間の心の善さを信じたり諦めたりしながら人の営みを眺めたり、時に介入したりする。ほとんど2話ほどでひとつのエピソードが終わるんだけど、大切に読みたい気持ちと一気に読みたい気持ちが戦って結局一気読みした。

2月に観た映画(計タイトル)

勝手にしやがれ/ジャン=リュック・ゴダール
コラテラル/マイケル・マン
ワイルド・スピード/ロブ・コーエン

勝手にしやがれ とにかくおしゃれなゴダールおじちゃん。観てるあいだ、隣で夫が爆睡してて、「ゴダールは寝るための映画」と豪語してた。そんなことあるかい。車を盗んだり人を殺したりは煙草を吸うのと変わらない軽さでやってのけるのに、惚れた女と寝るためには信じられないくらい食い下がってとにかくうだうだ言う落差がめちゃくちゃ面白い。

コラテラル トム・クルーズが正義側じゃない時怖すぎる。絶対敵にまわしたくない。

ワイルド・スピード スピードこそ力、力こそパワー!!!!!という感じでとにかくアホだった。

おわり!

読んだもの、観たもののアーカイブはこちら

ゆるやかに菜食主体になっていこうと思った話

(2020年11月のnoteから転記)

肉が好きだ。肉を焼くのも好きだ。熱くした鉄の上で、血と脂の匂いが香ばしく甘く変わってゆくのをかぎ分け、組織の縮んでいくのや、表面の焼き色を観察し、油の気泡の大きさに目を留め、指で押して、そういったあらゆるすべてで焼き具合を確かめる。すこし休ませてから包丁を入れると、目でもその断面のやわらかさ、なめらかさを感じ取れる。今すぐひときれ口にすべり込ませたくなる気持ちを抑えながら、思った通りに火が入っているのに喜ぶ。付け合わせと一緒に皿に盛って食卓へ運ぶ。口に入れると焼き固められた表面の歯触りが気持ちよく、噛めば繊維を断ち切る感覚と同時に肉汁が滲み出てくる。焼き締めた部分の塩けと香ばしさ、柔らかいままの肉の甘さがすべて一緒になって、とても旨い。

こんなに肉を愛しているけれども、ここ最近いろいろと思うところがあって、菜食主体の生活へと変わっていこうと考えています。今回はきっかけ編。追々勉強したことも書いていければいいな。

そもそも、菜食主義というものをたいして理解してもいないままに雑にネガティブな印象を持っていました。厳格だとか、痩せてるとか、なんか怖いとか、栄養失調なんじゃないかとか、あと、金銭に余裕のある人しかできないと思ってた。だってそうじゃないですか?ヴィーガン対応の食事って高いし。野菜だけでお腹一杯になるための調理の手間やかかる食費のことを考えると、途方もないな…よくできるよな…と思っていました。

Instagramでmaorimurotaさんという方をフォローしています。

https://www.instagram.com/p/CDQthbuq2Oe/embed/

いままでは、”パリ在住で、食関係の仕事をされていて、日々いい意味で肩の力の抜けたおいしそうなものを作っている人”という認識でした。数週間前、こちらの投稿を見てはじめて、この方がヴィーガンだと気づいたのでした。

https://www.instagram.com/p/CFbmou3KXqP/embed/

卵を使わないマヨネーズレシピに絡めた投稿なのですが、リンクだと文が出ないので、長いですが一部抜粋して転載します。

(前略)卵って当たり前なんですけど、鶏が産んでいるのですね。で、卵を産む鶏は、メスですが雄はどうなるのかというと卵を産まないのでヒヨコのうちに殺されます。殺され方は、生きたまま粉砕、袋の中に入れて窒息死、又はコンテイナーの中にザバザバと入れられて、自分達の重さで圧死などだそうです。一番「優しい」処分の仕方で、ガスで殺す。です。日本ではその殺され方さえされずジワジワと死んでいく圧死が多く、というかそもそもどう殺すか、の議論さえされないと言う。そして、更に卵を産む雌鶏はどういう環境で卵を産むか、と言うと狭い金網の中にぎゅうぎゅうに入れられて短い一生を終えるまで卵を産み続けるそれは更に又別の問題です。
と言う事実を知ると、あんまりそこまで卵いらないかなあと言う気になるのでこのマヨネーズは嬉しかった!
こういう話をするのは実は抵抗があって、と言うのも卵を食べる人に、え、それって食べてる私は人でなしって言いたの、、、?って居心地の悪い思いをさせてしまいそうで。
全然そんなこと思ってないです。つか私は食べませんが娘も旦那も食べるし。私自身出されりゃ食べますし家族にもリクエストがあれば出します。ただ自分が食べない理由をたまに話すのもいいかなぁと最近思うようになったのです。
こういう話って完璧に虫も殺さない人しか話しちゃいけない、みたいな雰囲気を感じる事があって偽善的と言われたりすると、うん、先ずは偽善的でいいじゃあないか。そこで話を強制終了して思考停止するよりと思うのです。
一人の完璧なヴィーガンよりも週1日はヴィーガンと言う人が百人いる方が、結果的に消費量は減ると思いませんか。そもそもこのテーマを話す時にもっと風通し良く何故話せないのか。肉が大好きな人も、野菜しか食べない人も、魚は食べる人も、卵だけは食べないって人も、鶏肉は食べるけどブロイラーは絶対食べないという人も、お互い自分がどうしてそのチョイスをしたかを話す事が出来て、お互いの選択をあなたはそうなのね、と認め合えればいいのにな、といつも思うんです。

その為には食べ物がどうやって生産されているか、の情報は共有できたらいい。
問題はその情報が余りに語られず現代の私達は食べ物がどうやって出来たか、を知らないで食べている事だと思うのです。知ってたら食べなかったよ!って言う食べ物も山程あると思うのです。
こんな事を考えながら時々ヴィーガンな日々を中途半端に私は送ってます。(後略)

勝手に太字にしちゃいましたが、なにか、ヴィーガンを選択した人たちに対する怖さを取っ払ってくれるような文章でした。厳格にヴィーガンでなくてもいいじゃん、どんなきっかけでも、偽善者だなんて言わないよ、みたいな。
それよりなにより身に染みたのが、自分が食べ物について、知らないことがある、ということに目を瞑って、さらに目を瞑っていること自体に目を瞑っている部分がある、というのを実感したことでした。ぞっとするよね。雄ひよこの死に方のことだって知らなかった。ぜんぶ食肉になるんだとおもってた。もちろん全てがそうではないとは思うので、追々勉強していこうと思っているところです。そして卵といわれたら、なんとなく鶏舎で走り回ってる鶏からうまれたものを想像して手に取ってた。ぎゅうぎゅうのケージだって見たことあったのに、実際にスーパーで卵を手に取る時は、そんなことパッケージにひとことも書いてないのに牧歌的な養鶏を勝手に思い浮かべてたわけです。脳よ。

この投稿を読んだ後、DEPTのeriさんのことを思い出しました。彼女も菜食を選択し、動物愛護や環境につよい関心を寄せている。

https://note.com/e_r_i_e_r_i/n/n1e3fc2b3db6a

というわけで、彼女がinstagramで推薦していた映画を二本みました。

The Game Changers | NetflixMeeting visionary scientists and top athletes, a UFC fighterwww.netflix.com

Cowspiracy: The Sustainability Secret | NetflixLearn how factory farming is decimating the planet’s naturalwww.netflix.com

感想です。9月のとこから引っ張ってきてます。

ゲームチェンジャー 肉食の環境負荷について、および菜食と健康の関係 というドキュメンタリーとして見た 菜食は健康上問題ないという主張はまだしも、菜食の方が肉食よりおおいに優る!と主張しているトピックについてはなんともヤバめの表現乱発で…あとそれをデータとして主張しちゃうのは理系初心者のわたしでもさすがにマユツバ〜と思っちゃう実験も多い あと男性機能を「男らしさ」と表現して、菜食でも男らしさは保てる!みたいな切り口があったんですが、データの取り方の雑さと、あとなによりその男らしさみたいなのを大前提とする世界をやめないとなんか根本的にダメなんじゃ…とドキドキした / Cowspiracy〜 一個前のを見てウーンなんかもっと多少冷静なやつ…と思って観た これを観てゆるやかに菜食になっていこう…と思ったのでそれはまた別に書きます スーパーで買える肉や卵や牛乳を前にして、それらの生前居た場所を思い浮かべる時、その想像した環境では、私たちが安く手に入れられるだけの量のものは生産できないのだ ということを改めて見せられて、それがすごく重かった ちゃんと想像してる側だから…ちゃんと感謝して食べてるから…と思ってた節があるなと自覚しました

書いてある通りちょっと疑問に思う描写も所々あるのですが…追加で本を何冊か読み、農水省とか畜産のページで現状を確認して、それで畜産および飼料のための農業がかなりのレベルで環境、人々、動物たちに多大な負荷を強いているものであると理解したし、それを知らないでいた自分を振り返ってあーあと思って、こんなふうに、こんなふうにというのは、工場式畜産によって作られている可能性のある食べ物を、ひとまず、自分の家でなにかを作って食べる時に選択しないようにしようと決めました。

というわけで、少しずつ勉強しながら、菜食主体、プラントベースと呼ばれるあり方をやっていこうと思っているところです。行動の指針としてはこんな感じ。

・自分1人での食事の時は、菜食主体
・卵を食べたくなったら、平飼い表記のあるものを買い、大切に食べる
・肉を食べたくなったら、少し高くても国内で人道的な育て方をされた動物の肉を買い、大切に食べる
・牛乳はいまのところ飲むのにも料理にも豆乳で代用可能なのでそれでいいかな
・海産物に対する勉強は追ってやる
・冷蔵庫や冷凍庫、保存食などで家にある動物性のものはもちろん大事に食べる
・友人や家族と食事をする際にヴィーガンを求めることはしない
・栄養失調にならないように勉強する
・絶対においしい菜食をやっていく

たとえばレストランに行ったら喜んでシェフの火入れした肉を食べるし、魚介だいすきだし、どうやってもプラスチックに頼る生活だし、でも別に偽善者だとかは思う必要なくて、やれるなと思うことから始めて、勉強するうちに選ぶものや方針が変わってもそれはそれと思っています。

とりあえずインターネットで大豆ミートを買ってみたんですが、それって矛盾してるよね、ウケるね。でもいいんだ。

2021.01

先日、図書館に行ったら窓口で「貸し出しカードの有効期限が今日で切れていますね」、と言われて、3年の有効期限が始まったその日にわたしは夫と入籍し、この区に引っ越してきて、その足で図書館カードを作ったのだった、と思い出した。早いもんだなあ。1月はとても忙しくて、忙しいと言うのはつまり、栄養士になるために学校に行くので会社を辞めます、と上長に相談してから、その日から急速に後任人事の選定が走り、その翌週からフルスピードでの引き継ぎが始まっているから気忙しく業務も忙しかった。この1年ほとんど人と会話していなかったので、1日ずっと話すと喉が枯れる。水をたくさん飲んだ。

1月に読んだ本(3冊)

自炊。何にしようか/高山なおみ
工場/小山田浩子
30日のイタリアン/相場正一郎

自炊〜 12月に高山なおみ先生と三浦哲也先生の対談があって、その視聴に向けて購入した。対談前にさっとさらって、そのあとゆっくりだらだら読み続けて、1月に読み終えた。料理本というよりは、日記を読んでいるよう。とても生っぽい本で、かえって世にあふれる料理本の清潔さというか、微妙に生活から隔てられているのがわかる。オレンジページやらのキャベツ使い切りレシピのようなものだって、ここまで生っぽくはならないと思う。 / 工場 小山田浩子さんの小説を読むたび、「ああ〜わたしはこういう物が読めるから小説を好きでいるのだ」と実感する。小説を読む喜びがある。振り返ってみたら10月に穴を読んで、大体同じことを言っていた。 / 30日の〜 代々木八幡にあるLIFEのシェフのレシピ、気になったレシピをメモして行ったら結局全部パスタだったので自分にウケてしまった。パスタばっかりの本も書いているらしいのでそれも読んでみたい。この本で学んだことは、「野菜とパスタは岩塩で茹でろ」。

1月に読んだ漫画(0タイトル)

えっ待って1月漫画読んでない…ここ数年漫画読んでない月ないのに、怖……

1月に観た映画(3タイトル)

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから
バッド・ジーニアス 危険な天才たち
レディ・バード

ハーフ〜 レポート代筆を請け負う秀才の女子学生が、ちょっと間の抜けた感じの男の子のラブレターの代筆を頼まれるけど、その相手の女の子のことを自分も気になっていて…というあらすじの映画、クライアントの代わりにその想い人とメッセージをやり取りするときの甘美な感じよ、いつ終わるともしれない時間なのでみていて切ない気持ちになる / バッド〜 これもまたクラスの秀才が主人公で、お金持ちだけど成績はダメなクラスメイトたちにカンニングさせて荒稼ぎする話なんだけどほんとうにほんとうにハラハラして家で見ているので何度も耐え切れなくなって再生を止めては無意味に部屋の中を歩き回ってしまった。劇場で見てたら心臓がパーンとなったかもしれない… / レディ〜 みようみようと思っていてやっと見た ブックスマートの子が親友役で出ている わたしは母娘もので死ぬほど泣いてしまうので最終的にびちゃびちゃになりながら見た。ティモシー・シャラメがいい感じにキモい役でよかったな

2、3月の目標はとにかく早く引き継ぎをやり切って、本も漫画もたくさん読む。

2021年、おうちで買えるチョコレート(髙島屋、西武編)

前回のおわりに「大丸編」って書いてたんですが、すみません、髙島屋と西武がすごく良かったのでこうなりました。
大丸では毎年母親にYVANのトリュフを買っていたのですが、今年は店頭にいけないのでほかのチョコレートを探すつもりです。

※前回→伊勢丹サロンデュショコラ編

髙島屋編

  1. Julien Dechenaud(ジュリアン・デシュノ/フランス)
  2. YU CHOCOLATIER(ユウショコラティエ/台湾)
  3. Patrick Roger(パトリック・ロジェ/フランス)
  4. Le Chocolat Alain Ducasse(ル・ショコラ・アラン・デュカス/フランス)

※公式特設ページはこちら。(タカシマヤバレンタインデー)注文は2/9(火)まで

西武編

  1. Stephen Vendeparre(ステファン ヴァンデュパール/ベルギー)
  2. LEGAST(レガスト/ベルギー)
  3. SEBASTIEN GAUDARD(セバスチャン ゴダール/フランス)
  4. CACAO SAMPAKA(カカオサンパカ/スペイン)

※公式特設ページはこちら。(e.デパートのバレンタインデー)注文は2/6(土)まで

髙島屋編

1. Julien Dechenaud(ジュリアン・デシュノ/フランス)

プラリネビークッシュ/3,348円

今回初めて知ったブランドです。プラリネが得意なシェフだということなので、クラシックなプラリネセットも惹かれるところなのですが、この限定セットのほうはプラリネ×フルーツペーストとなっていて、その中の紫蘇とレモンというのがすごく気になっています。どんな味になるんだろう。紫蘇×レモンのピューレをそのままチョコレートで包んでいるならまだ想像つくんですけど、プラリネがいるんでしょう…?

2. YU CHOCOLATIER(ユウショコラティエ/台湾)

台湾産グランクリュカカオ&クラシックトリュフ/3,348円

こちらも今回初めて知りました。台湾のチョコレートは数年前にサロンデュショコラでLE RUBAN CHOCOLATというところのものを買ったことがあって、それは醤油とか、香菜×杏仁とか、けっこうぱっと見の印象で台湾!というアピールのある食材が使われていて面白く美味しかったんですが、これは純粋に台湾産カカオ推しなんですね。今回タブレットとボンボンの候補はいっぱいあるけどトリュフは候補がこれしかないので、買うと思うな〜!(?)

3. Patrick Roger(パトリック・ロジェ/フランス)

ショコラアソート/4,212円

サロンデュショコラでちょうどいい個数入りのチョコレートが残ってたことないランキング堂々1位のパトリック・ロジェ〜!いつも昼くらいに行くせいで25個入りみたいなやたら大きい箱しか見たことないんですよね。しかし髙島屋にはまだある!これまで、パリで買った方がよっぽど安いやんけ問題がありましたが、この状況下なので素直に買います。
レモングラスも気になるんですが、一番楽しみなのがオーツ麦です、絶対ほっこり系にはされないだろうしどうなってるんだろう。

あと、商品紹介ページに各シェフからの挨拶とか商品の紹介動画が置かれてるのですが、これだけ意味わからなかったので貼っておきますね。一緒に(な…何?)ってなりましょう。

4. Le Chocolat Alain Ducasse(ル・ショコラ・アラン・デュカス/フランス)

デクヴェルト(6個入)/2,808円

そんなん美味しいに決まっとるやんけみたいなブランド出してしまってすみません、でも本当に美味しいんだよ…味に気品があるチョコレートです。去年は父親にこれを贈ったのですが、今年は自分用に買おうかしら。試食したとき、すごく喉乾いてて(いまぜったいチョコレートのタイミングじゃないな)って思いながら食べたんですが、美味しすぎてものすごく唾液出て口内が潤ったんですよね。この話いらないですね。
ちなみに公式オンラインショップもあって、こっちのほうが種類が豊富です。上の商品も髙島屋限定商品じゃないですし。
というか今見てたら生姜コンフィのチョココーティングとか、ガレット・デ・ロワとか、よりどりみどりだ……

西武編

1. Stephen Vendeparre(ステファン ヴァンデュパール/ベルギー)

ショコラアソート 9個入/4,644円

あのね!!!ここのチョコレートを頼むどこか扱っていてくれと調べていて西武を発見しました。一昨年に大丸でトリュフを買ったんですが、うろたえるほど美味しかったんです。トリュフの中で一番好き、YVANより好きだと思う。なのにそれ以来どこにもいないんです…これもトリュフじゃなくてボンボンだし、このECサイト全然内容の説明してくれないし…でもこのブランドのチョコレートを本当に本当に食べたくて焦がれていたのでこの際味わからなくても買うしかない。でもメインのフレーバーくらい書いてくれても良くない!?涙

2. LEGAST(レガスト/ベルギー)

バレンタインセレクション12個入/4,968円

これも高いのにフレーバーわかんなくて歯食いしばって買う系チョコレートですね。2020年のフーデックスのPDFがインターネットに転がっていたので読んだところ、「ラテンアメリカの珍しいカカオを直接買い付けて製造するビーントゥバーのチョコレート」ということがわかりました。だめだまだわからん。公式サイトも見てみましたが、なんか入ってるもの違うな…。プラリネではあると思います。迷うな。

3. SEBASTIEN GAUDARD(セバスチャン ゴダール/フランス)

コフレ・ヌフ 9個入/4,968円

これも(略)。パリの名店のパティスリーだということはわかっているんですが、やっぱり味がわからない…。ここで!

アペカセレクション12個入/5,400円

みてください、ここまでの味わからない3兄弟がなんとひとつのセレクションボックスに納まって…!味は…!結局わからないけど……!!!(エーン!)
でもこれありだな。いつもはこういう詰め合わせ系買わないのですが、ここまでの3品わりとお高いので、全部試してみたいけど軽く予算をオーバーしてしまう&同じ味何個もいらないので、稟議回覧時にとても助かります。西武の回し者じゃないです。

4. CACAO SAMPAKA(カカオサンパカ/スペイン)

ショコラタ カカオニブ/1,296円

伊勢丹も髙島屋も通過してきてなぜやっとここでカカオサンパカ?って感じなんですけど、この商品があったからです。(毎年思うのですがチョコレートのくまさんどうやって食べるんだろう??毎年見るってことは一定の需要があるのでしょうが、いったいどの機会に誰が誰に贈っているのかしら…)
公式サイトにもあるのですが、以前、ピンクペッパーのチョコレートコーティングというものを買って、それがすごく美味しかったんです。コーティングは甘すぎないし、かといってピンクペッパーだから刺激も強すぎず、香りだけが華やかで甘く、そして噛み砕くとき少し隙間のある感じがおもしろくてついもうひとつと手を伸ばしてしまう、ワインにとてもあう、すばらしいおつまみだったんですよ。なのでカカオニブコーティングもきっと、お酒のお供に良いのだろうなと思ってます。これは今年の父親用かな。

髙島屋さっき気付いたのですが、伊勢丹・三越にもバレンタイン枠のほうのチョコレートがあるんでした。いつも2月くらいにサロンデュショコラとバレンタインが別なのを思い出すんですよね、罠だと思うんですけど、でも気付いたので次回は伊勢丹バレンタイン編です。

→1/11追記 三越伊勢丹のバレンタイン版のラインナップ見たのですが、特に候補に追加するものはありませんでした…。2021チョコレートはこの中から選びます。

2021年、おうちで買えるチョコレート(伊勢丹サロンデュショコラ編)

松の内を超え、仕事が始まったことへの諦めもついたころやってくる、そう、チョコレートシーズン!!!!(ヤ〜〜〜!)

毎年、東に酸味のきいたタブレットがあると聞けば人混みをかき分けて買い、西に干し草の香りのトリュフがあると聞けば並んで買い、楽しくこの時期のチョコレート資本主義フェスで踊り続けてはや6年かそこらが経つのですが、さすがにもう今年はどんなに整理券があろうと入場を区切られようと催事場ではチョコレートを買うのが憚られるため、店頭でしか買えないものに関しては、今回は諦めます。健康あってのチョコレートだからね…。

でも絶対に美味しいチョコレートは食べたい!!!!!!
というわけで、オンラインで購入できるチョコレートの中から、今年買いたいものをリストアップすることにしました。

毎年チョコレートを買いに行く伊勢丹と大丸のオンラインショップから選んでいきます。

今回は本丸のサロンデュショコラ編。

ちなみに私は、
・おいしいもの 3割
・味の組み合わせや発想に驚きがあったり、知らない素材であったりと、味に想像がつかないもの 7割
くらいの割合を念頭にチョコレートを選んでいます。
毎年、候補を挙げて、夫の稟議決済がおりたものをだいたい1万ちょっと分くらい購入しています。
それではいってみましょう!(テンションよ!)

  1. le fleuve(ル フルーヴ、日本)
  2. AURO CHOCOLATE(オーロチョコレート、フィリピン)
  3. NOEL VERDE(ノエルヴェルデ、エクアドル)
  4. THEO&PHILO(テオ&フィロ、フィリピン)
  5. ERITHAJ(エリタージュ、ベトナム)
  6. Patisserie JUN UJITA(パティスリー ジュン・ウジタ、日本)
  7. LENOTRE(ルノートル、フランス)
  8. Le Bristol Paris(ル ブリストル パリ、フランス)

※伊勢丹のサロンデュショコラ特設ページはこちら。(サロンデュショコラ2021)注文は2/2(火)まで
※公式パンフレットはこちら。(https://my.ebook5.net/isetan/salon_du_chocolat/
※ブランドや職人さんのプロフィールなど、サイトに記載されていることは必要以上には書かないつもりです。基本的に、過去食べた際の感想や、商品説明から受けた印象などについて記述します。
※直接ブランドのサイトから買える場合にはあわせてご紹介します。
※書いてる間に売り切れてしまったものもあります…。別の購入経路が見つかれば追記します。

1. le fleuve(ル フルーヴ、日本)

プラリネ4/1,944円
いよちゃん
/1,998円

パティシエの上垣さんが、修行後に出身地である兵庫に戻り、山奥で営んでいるパティスリー。通年で公式のBASEショップから商品を購入できます。

去年のサロンデュショコラではじめて買って、めちゃくちゃ美味しかったんですよ…なぜ買ったかというと、「干し草」のチョコレートがあると書かれていたからなんですが、これがすばらしくて…でも味にたどり着く前に、まず食感の話をしてもいいでしょうか。チョコレートの、ボンボンというんですかね、内側に味やテクスチャーのあるものをチョコレートでくるんでいる仕立ての四角いもの、上からの写真だとわからないのですが、他ブランドと比べて圧倒的に薄いんですよ。公式サイトのトップ写真見ていただければ伝わるかと思うんですが。
これがね、あ〜〜チョコレートってこの量で食べたかったんだわ私…と思わせる絶妙な薄さなんですね。口の中のチョコレート味の分量がすごくちょうどいい。他の好きなブランドのチョコレートも正直この薄さになってほしいくらいです。加えて、中に包まれているガナッシュとかプラリネも、これがとっても端正な味で、輪郭がはっきりしており、十分によく香るんです。
そこで冒頭の干し草なんですが、すごくて…太陽を浴びて乾いた草のあのふくよか(以外に言い方がわからない)な香りとミルクの香りが、薄いチョコレートを噛み砕く一瞬にサーッ、と吹き抜けて、まーびっくりしました。他にもいろいろな味が入ってたのですが、すみませんこればっかり覚えてて…でもすごく残念なことに、今年はその味が公式にも伊勢丹にも出てないんです。その代わり、伊勢丹限定のプラリネ4種という商品が出ています。わたしはこの上垣さんのことを信じているので、どれだけ信じているかというとこのチョコレートを食べた後に公式サイトからお菓子を追加で買ったくらいなんですが、プラリネも絶対おいしいので、これは確実に買います。

もうひとつは伊予柑のピールのチョコレートです。去年、味覚を信頼している友人がここのブランドの柚子ピールの商品を買っていて、やはり薄さのバランスとピール自体のおいしさに感動したと言っていたので、これも買う予定です。

2. AURO CHOCOLATE(オーロチョコレート、フィリピン)

タブレット各種/1,296円

これも去年のサロンデュショコラで初めて知りました。試食させてもらって(今は懐かしき試食制度…)、びっくりして即買いました。
タブレットのチョコレート食べて、果実味を感じて驚くことは多々あれど、うわっ瑞々しい!!!って、なったことあります??わたしはなかった!!!どうしたら伝わるかわからないのでめちゃくちゃもどかしいんですが…水を感じるんですよ…食感は普通のタブレットなんですけど、味に潤いがあるんです…もし試された方いらっしゃったらお話ししましょう…。

試食で何種類か食べ比べさせてもらったんですが、たしかカカオ豆の生産地ごとに分かれていて、それが河のどの流域にあるかで味が全く違っているんですよ、そんなんわかるかよって感じなんですけど本当に違くて…その時はもう、「えっ、ワインじゃないですか…」というしょうもないコメントしかできなかった。

3. NOEL VERDE(ノエルヴェルデ、エクアドル)

カカオパルプピューレ/702円
サチャ + マッチャ(おくみどり)/1,080円

チョコレートじゃないんです、でも気になってるんですよ。
最近、アマゾンカカオのデザートを出してくれるレストランだったら3軒に1軒はカカオパルプのなんらかも出してくれませんか?ジェラートとか。カカオ豆が種ならカカオパルプはその周りを包んでいる果肉なのですが、とってもフルーティーなんですよね、何て説明すれば…グレープフルーツのゼリーの、ゼリー部分みたいな味とでも言いますか…見た目はそら豆のふわふわみたいな感じなのに、不思議ねえ。

商品一覧見ててこれは…!買お…!ってなりました、料理にも使ってみたいな〜。料理しなくても、フロマージュブラン系ととっても相性がいいと思います。

タブレットは日本人シェフが味の監修をしているらしくて、その中でもエクアドルの華やかさの強いカカオと抹茶の掛け合わせが気になってます。日本で抹茶味のチョコレートを買うととわりとミルク強め&甘め&パウダリーな方面の味ですけど、もしかしてこれは鮮烈な抹茶の表現なのでは?そしたら抹茶チョコレートのいままで見たことない地平なのでは?と思って楽しみにしてます。

4. THEO&PHILO(テオ&フィロ、フィリピン)

タブレットセット(5枚入り)/4,536円

このブランド、ライスパフとマンゴーとココナッツのチョコボールがあって、それがとっても可愛いので実家用に買おうかなと思ってたんですが、瞬く間に売り切れちゃってました…なんですが、タブレットはまだ残ってる!これもすごく気になってます、ピリナッツ(ナッツ)とピニピグ(もち米の未熟なものらしい)とか、ラブヨ(島とうがらし)とか、カラマンシー(柑橘)とかの、聞き慣れない素材が確実に美味しい仕立てになっているので、プレゼントに良さそうだな。

5. ERITHAJ(エリタージュ、ベトナム)

カカオ醤(ペーストタイプ)/1,620円

カカオ醤とか絶対美味しいじゃんね。わたし知ってる。前に醤油ベースのモレソース作ったことあるもん。それの洗練されたやつなんでしょう。
これはね〜ぜったいどの肉にも合います。断言する。特に豚や鴨のローストにめちゃくちゃいいでしょうね。ラムもさぞかし。あと、胡麻和えの衣みたいな感じで、香りの強い菜っぱ、たとえば春菊とか、さっと湯がいて和えるのとかも美味しいんじゃないでしょうか。あとはなんだろうな、お餅とか?夢が広がりますね…

6. Patisserie JUN UJITA(パティスリー ジュン・ウジタ、日本)

アアッ伊勢丹オンライン売り切れとる…バナナとキャラメリゼしたブランのタブレットとか、ボンボン詰め合わせとかあったん…です…来年に期待…

7. LENOTRE(ルノートル、フランス)

プラリネ・ガナッシュアソート 8個入/3,564円

ルノートルの8個入りだけはここ数年毎年欠かさずに買ってます、だっておいしいんだ〜はじめて食べた時おいしさにたまげて「このチョコレートみたいな大人になりたい」と夫と言い合ったくらいにおいしい(わからん)。迫力があるというのか、なんというか、体当たりしても微動だにしなさそうな味で、多分これから先もわたしの中での美味しいチョコレートの基準値となり続ける気がします。こんなにつよい味なんだけど、チョコレートとして口の中でいつまでも残響があるタイプじゃないのがまたセクシーなんだよね…。

おいしいので、絶対に外したくないプレゼント(義実家へのバレンタインとか)の時もこれで押さえに行きます。

以上、伊勢丹オンラインではこんな感じでした。すでに総計1万円超えてるのですが、心を強く持って次にいきましょう。次は大丸編です。→こちら(髙島屋・西武編になりました)